みなさんもご存知のように、福島県飯舘村は原発事故に巻き込まれてしまいました。それから6年、飯舘村の方々は日々毎日復興を一歩一歩進めています。
弊社マイデザインは今回飯舘村交流センター 「ふれ愛館」に携わることができ、少しでも復興の一助になれましたことを心から感謝いたします。
きっかけは、マイデザインが北海道産木材を使い旭川で生産をしていることでした(現在は上海工房でも生産しています)。
豊富な森林に囲まれた里山、飯舘村に似合う家具を探されていた村役場の方々の目に留まったことによるものです。
北海道産の樹種 ナラ材 カバ材 タモ材 を使い、ディティール仕上げを丁寧に、自然塗装でナチュラル感を醸し出しました。デザインはマイデザインオリジナルです。
特にキッチンスタジオは、飯舘村の村民の方々が集い、つくり、食し、楽しむ、場面となる日常スペースとなりますので、
村役場の方々は多方面から知恵を出された苦心作となっています。
これからも一人でも多くの方々が帰村することができますよう、私たちも何かしらの行動を継続していくことが重要だと強く思っています。
飯舘村は、福島県浜通りの北西部に位置し、相馬郡に属する村です。飯舘村は福島県の地図で見ますとおおよそ右上に位置しています。
森林が総面積の約8割を占める飯舘村はとても美しい里山です。
飯舘村役場からは次のような村紹介が掲載されていました。
2011年3月11日、地震、原発の影響により想像もつかなかった事態がおこり、上記の村紹介は一瞬で過去のこととなってしまいました。
しかし、菅野村長のリーダーシップの元、村民の方々、支援された方々の絶え間ないご努力により2017年3月31日午前0時に避難指示が、帰還困難区域を除いて、解除され震災前の飯舘村に戻ろうとしています。
飯舘村民約6,000人ですが、帰村された方はまだまだ少なく、以前のように隣近所顔向き合わせての生活をあちこちで見かけるには、これからまだまだ長い道のりが続くものと思います。
村が培った長年の歴史、村民形成から生まれた「までい」の心。
その文化を語り継ぎ、絶やすことなく継承する場、さらには交流の場所としてもふれ愛館は活用され、村の情報発信をしていきます。
避難指示解除で帰村される半年前2016年8月13日に、ふれ愛館の開所式が行われました。
玄関前に置かれたブロンズ像は、静岡県伊東市の彫刻家・重岡建治さんの作品です。
「絆」をテーマに、家族が手をつないで大きな輪をつくった姿が、”までい”にもつながる人の優しい心を表現しています。
それでは『ふれ愛館』の一部をご案内をします。
木造平屋建てでご年配の多い村民の方々には優しい構造になっています。村民の方々の「絆」を育み、村の力強い復興のシンボルとなる施設です。
多目的ホールは飯舘村、ふれ愛館のシンボルです。ホールを支えているのは20本の丸大柱です。村の20行政区を象徴しています。
吹き抜けの高い天井のかたちは、村の人達がつながり、これからも一体になっていく姿をイメージしています。
コンサート、講演会、各種発表会など、いろいろな催事につかえるようになっています。
ステージの背面には里山の森林、田園風景が広がり、緑豊かな飯舘村を象徴しています。
しかし、ここでも汚染土壌の袋が、、、見えています。
ステージ上の演台、司会者台、花台は、講演者・司会者・花が引き立つようシンプルなデザインとディティールにこだわりました。
ナラ材を使用しています。
ダストボックスカバーにも村役場職員の方のセンスがにじみ出ています。これならゴミもあふれませんね。
[もえるゴミ][もえないゴミ][ビン][カン][ペットボトル]のネーミングプレートはマイデザインコースター同様に一つひとつ彫り込んでいます。
ダストボックスとネーミングプレートはナラ材を使用しています。
友達との待ち合わせ、学校帰りのミーティング、ミニコンサートなどアイディア次第で使い方はいろいろうまれそうです。
円形テーブル大小(直径800mm・600mm)がレイアウトされています。リラックスできるようにテーブル高さは600mmで、イスには肘を付けました。イスの生地はウールで、やさしい色づかいのブルーです。
テーブル、イスの樹種は、木肌・木目が美しい北海道産タモ無垢材を使用し、経年変化を楽しめるオイル仕上げです。
交流回廊は憩いと交流の場として設定されています。
天井まで伸びるガラス一面の窓からは、飯舘村の美味しい空気感と四季の鮮やかな移り変わりを楽しめます。
テーブル、イスはナラ無垢材を、うづくり加工*を施しています。
テーブルサイズは、正方形750mmです。天板はスクエアで脚は円錐の組合せです。マイデザインは、天板と脚の組合せは自由です。
イスの座面は凹で、凹のサイズにぴったり合わせたシートクッションになっています。シートクッションはリバーシブルで生地はウール100%を使用しています。
*うづくり加工
天板の表面を加工し素材感を楽しみながらアンティークの風合いを醸し出しだしています。
加工しやすい木材の柔らかい部分を削ぎ落とし、木目を浮き上がらせ木材の美しさと風合いを強調する加工です。
皆さんの手料理自慢をキッチンスタジオで披露し合います。
そば打ち、みそづくり、パン・お菓子づくり、などなど。また、気の合う仲間とのパーティなどもアイデア次第でやれることは膨らみますね。
小学校机を電話台として使っています。
飯舘村小学校は1年生から6年生まで同じ机を使うそうです。
思い出の詰まった机を大事にして、一緒に成長していくんですね。
仕様は無垢材で、成長とともに高さが変えられるようにつくられています。傷は山ほどありますが、どんと構えていて木材が生きているようです。
早くたくさんの子供さんが戻ってくる日を信じ期待したいですね。
飯舘村民歌のような村に戻れるようになれば、たくさんの子供さんがまた机を使いますね。