製作事例‐飯舘村交流センター「ふれ愛館」

mydesign × 飯舘村

福島県相馬郡 飯舘村の交流センター「ふれ愛館」をお手伝いしました

みなさんもご存知のように、福島県飯舘村は原発事故に巻き込まれてしまいました。それから6年、飯舘村の方々は日々毎日復興を一歩一歩進めています。
弊社マイデザインは今回飯舘村交流センター 「ふれ愛館」に携わることができ、少しでも復興の一助になれましたことを心から感謝いたします。

きっかけは、マイデザインが北海道産木材を使い旭川で生産をしていることでした(現在は上海工房でも生産しています)。
豊富な森林に囲まれた里山、飯舘村に似合う家具を探されていた村役場の方々の目に留まったことによるものです。
北海道産の樹種 ナラ材 カバ材 タモ材 を使い、ディティール仕上げを丁寧に、自然塗装でナチュラル感を醸し出しました。デザインはマイデザインオリジナルです。
特にキッチンスタジオは、飯舘村の村民の方々が集い、つくり、食し、楽しむ、場面となる日常スペースとなりますので、
村役場の方々は多方面から知恵を出された苦心作となっています。

これからも一人でも多くの方々が帰村することができますよう、私たちも何かしらの行動を継続していくことが重要だと強く思っています。

飯館村について

飯舘村は、福島県浜通りの北西部に位置し、相馬郡に属する村です。飯舘村は福島県の地図で見ますとおおよそ右上に位置しています。
森林が総面積の約8割を占める飯舘村はとても美しい里山です。

img01_1
img01_2

飯舘村役場からは次のような村紹介が掲載されていました。

❝
“飯舘村”の魅力を知る
飯舘村は、阿武隈山系北部の高原に開けた豊かな自然に恵まれた美しい村です。総面積230.13k㎡の約75%を山林が占めた地形は、比較的なだらかで、北に真野川、中央に新田川と飯樋川、南部に比曽川が流れ、その流域に耕地が開かれて集落を形成している典型的な中山間地の景観を見ることができます。年平均気温は約10度、年間降水量1,300mm前後で高原地帯独特の冷涼な気候にあり、夏の期間はヤマセの影響で度々冷害に見舞われます。そのため、手間暇惜しまず、丁寧に、心を込めて、相手を思いやるという“までい”な生活文化が今も残っている村です。産業では、冷害に強い農業である畜産に力を入れ、黒毛和牛の「飯舘牛」はブランド牛として高い評価を得ています。また、高冷地の条件を生かした高原野菜、トルコギキョウを始めとする花卉、凍み餅、凍み大根、どぶろくなどが特産となっています。近年では、直売場、農家レストラン、民宿なども整備され、都市との交流事業も盛んに行われるようになってきました。“までいライフ”を求めて都会からのIターン者も徐々に増えています。
❞

2011年3月11日、地震、原発の影響により想像もつかなかった事態がおこり、上記の村紹介は一瞬で過去のこととなってしまいました。
しかし、菅野村長のリーダーシップの元、村民の方々、支援された方々の絶え間ないご努力により2017年3月31日午前0時に避難指示が、帰還困難区域を除いて、解除され震災前の飯舘村に戻ろうとしています。
飯舘村民約6,000人ですが、帰村された方はまだまだ少なく、以前のように隣近所顔向き合わせての生活をあちこちで見かけるには、これからまだまだ長い道のりが続くものと思います。

飯舘村交流センター 「ふれ愛館」

村が培った長年の歴史、村民形成から生まれた「までい」の心。
その文化を語り継ぎ、絶やすことなく継承する場、さらには交流の場所としてもふれ愛館は活用され、村の情報発信をしていきます。

❝
「までい」
「までい」とは、「ゆっくり」「ていねいに」という意味の福島県北部の方言です。
❞
※飯舘村役場情報抜粋

避難指示解除で帰村される半年前2016年8月13日に、ふれ愛館の開所式が行われました。

玄関前に置かれたブロンズ像は、静岡県伊東市の彫刻家・重岡建治さんの作品です。

「絆」をテーマに、家族が手をつないで大きな輪をつくった姿が、”までい”にもつながる人の優しい心を表現しています。

※飯舘村役場情報抜粋
img02_2

それでは『ふれ愛館』の一部をご案内をします。
木造平屋建てでご年配の多い村民の方々には優しい構造になっています。村民の方々の「絆」を育み、村の力強い復興のシンボルとなる施設です。

img03_1
img03_2
img03_3
多目的ホール

多目的ホールは飯舘村、ふれ愛館のシンボルです。ホールを支えているのは20本の丸大柱です。村の20行政区を象徴しています。
吹き抜けの高い天井のかたちは、村の人達がつながり、これからも一体になっていく姿をイメージしています。

コンサート、講演会、各種発表会など、いろいろな催事につかえるようになっています。
ステージの背面には里山の森林、田園風景が広がり、緑豊かな飯舘村を象徴しています。
しかし、ここでも汚染土壌の袋が、、、見えています。

img04_1
img04_2
img04_3

ステージ上の演台、司会者台、花台は、講演者・司会者・花が引き立つようシンプルなデザインとディティールにこだわりました。
ナラ材を使用しています。

img04_4
img04_5

ダストボックスカバーにも村役場職員の方のセンスがにじみ出ています。これならゴミもあふれませんね。
[もえるゴミ][もえないゴミ][ビン][カン][ペットボトル]のネーミングプレートはマイデザインコースター同様に一つひとつ彫り込んでいます。
ダストボックスとネーミングプレートはナラ材を使用しています。

img04_6
img04_7
ロビー

友達との待ち合わせ、学校帰りのミーティング、ミニコンサートなどアイディア次第で使い方はいろいろうまれそうです。

円形テーブル大小(直径800mm・600mm)がレイアウトされています。リラックスできるようにテーブル高さは600mmで、イスには肘を付けました。イスの生地はウールで、やさしい色づかいのブルーです。
テーブル、イスの樹種は、木肌・木目が美しい北海道産タモ無垢材を使用し、経年変化を楽しめるオイル仕上げです。

img05_1
img05_2
交流回廊

交流回廊は憩いと交流の場として設定されています。
天井まで伸びるガラス一面の窓からは、飯舘村の美味しい空気感と四季の鮮やかな移り変わりを楽しめます。

テーブル、イスはナラ無垢材を、うづくり加工を施しています。
テーブルサイズは、正方形750mmです。天板はスクエアで脚は円錐の組合せです。マイデザインは、天板と脚の組合せは自由です。
イスの座面は凹で、凹のサイズにぴったり合わせたシートクッションになっています。シートクッションはリバーシブルで生地はウール100%を使用しています。

*うづくり加工
天板の表面を加工し素材感を楽しみながらアンティークの風合いを醸し出しだしています。
加工しやすい木材の柔らかい部分を削ぎ落とし、木目を浮き上がらせ木材の美しさと風合いを強調する加工です。

img06_1
img06_2
キッチンスタジオ

皆さんの手料理自慢をキッチンスタジオで披露し合います。
そば打ち、みそづくり、パン・お菓子づくり、などなど。また、気の合う仲間とのパーティなどもアイデア次第でやれることは膨らみますね。

キッチンスタジオは大きなガラス扉採光で明るく、
外はオープンテラスにもなり自慢の風景も一望できますが、遠くに汚染土が収納された多くの袋が見えていますね。
現実の飯舘村です。

img07_1

中央に幅3660mm奥行1100mmの大型アイランドキッチンがあります。
料理をつくりながらゆっくりイスに座って食事を楽しむことができます。
壁にはI型のシステムキッチンが備わっています。

img07_2

ダイニングテーブルは、
幅1500奥行800mmの北海道産カバ無垢材を使用しています。
天板は風合いのある木目濃淡がはっきりと出ています。

蕎麦打ちテーブルとしても使いたいそうです。
きっと美味しい蕎麦ができるんでしょうね。

img07_3
絵本の
かくれ家

長い交流回廊の奥階段を上がって行くとロフトが登場します。

“子供たちの隠れ家”には絵本がいっぱいあり夢が広がります。きっといつまでも忘れない想い出の場所になるでしょうね。 

img08_1
img08_2
小学校机

小学校机を電話台として使っています。
飯舘村小学校は1年生から6年生まで同じ机を使うそうです。
思い出の詰まった机を大事にして、一緒に成長していくんですね。

仕様は無垢材で、成長とともに高さが変えられるようにつくられています。傷は山ほどありますが、どんと構えていて木材が生きているようです。
早くたくさんの子供さんが戻ってくる日を信じ期待したいですね。
飯舘村民歌のような村に戻れるようになれば、たくさんの子供さんがまた机を使いますね。 

img09_1
img09_2
song

マイデザインのWebサイトでは、オリジナルデザイン家具のラインナップをご紹介しています。オーダー価格をご確認いただき、そのままご注文いただけます。
フルオーダーメイドのご相談も承っておりますので、下記リンクよりぜひご覧ください。

PAGE TOP